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市役所本庁舎に関する私の基本的な考え方

平成23年3月21日
茅ヶ崎市議会議員 “えびけん” 海老名けんたろう

2011年3月11日午後発生の東北地方太平洋沖地震から、市役所本庁舎については、建替や免震をどちらにするにしても4年前後の時間がかかる現実があります。
この地震から、改めて、各公共施設で耐震性に問題のあるところについて、とにかくいち早く耐震補強して、一定のレベルの震災には耐えることができる状態にすべきで、その後、改めて本格的な対応を検討すべきであると考えます。

本格的対応として

茅ヶ崎市役所本庁舎は、“建替”ではなく、
その総経費(70~80億円)で、市役所本庁舎を免震(30~40億)
市民文化会館を大規模耐震改修(40億)

私のスタンスは建替(新庁舎建設)反対です。
しかし、まず賛成、反対という前に、様々な観点からこの問題を知り、判断する必要あります。
以下の7つの点で考察していきたいと思います。

  1. 本庁舎自身の問題
  2. 耐震性能の考え方
  3. 財政の問題
  4. 他の行政サービスなどとの兼ね合い
  5. 他の施設との兼ね合い
  6. 安全性確保の方法比較
  7. 人口の問題
  8. その他

考察に入る前に、まずは、茅ヶ崎市役所本庁舎の現状についてです。

  • 1974(昭和49)年建設(耐用年数60年 現在35年経過)
  • 阪神淡路大震災クラスの地震が起こった場合に、市役所本庁舎は倒壊・崩壊の危険性が高い状況です。
  • 市役所本庁舎の3階以上の床で、強度不足で「たわみ」が発生しています。
  • 給排水・電気・空調設備などの多くの機器が耐用年数を超えています。

1.本庁舎自身の問題:本庁舎に対する基本認識

茅ヶ崎市役所本庁舎は危険です。
Is値=0.25 :阪神淡路大震災クラスの地震だと倒壊・崩壊の可能性大。
災害時の災害対策本部という司令塔。
平時は、市民が様々な行政サービスを受ける重要な場所。

茅ヶ崎市議“えびけん” 海老名けんたろうの見解

安全確保のための対応が必要!(何もしないということはできない)

2.耐震性能の考え方

この問題のキーワードであるIs値をどの程度確保すればいいのでしょうか?

安全性の基本的な数値

Is値 ≧0.6 倒壊や崩壊の危険性
0.3~0.6 倒壊や崩壊の危険性 あり
<0.3 倒壊や崩壊の危険性

公共施設ゆえの設定

出典:財団法人建築保全センター(H8版 官庁施設の総合耐震診断・改修基準及び同解説)

庁舎等拠点病院 Is値=0.9
学校 Is値=0.75

注意! 法令で定められているわけではない。つまりは、目安ということ

茅ヶ崎市議“えびけん”海老名けんたろうの見解

Is値≧0.6で、ある程度安全であるが、防災拠点であることや、日常でも多くの市民の利用もあることから、目安ではあるが、Is値≧0.75か、Is値≧0.9は必要です。

3.財政の問題

茅ヶ崎市自身も、平成19年度を市税収入の頂点(約366億)とし、減少すると見積もっています。“税収は右肩下がり”の現実があります。

平成20年度 364億8,700万円
平成21年度 351億9,500万円
平成22年度 342億9,300万円
平成23年度 338億5,100万円
平成24年度 334億7,400万円
平成25年度 335億1,700万円

※建替えを選択している平塚市は、当初の計画で、100億円の総経費のうち、70億円を建替え用の基金(いわゆる貯金)で対応します。

茅ヶ崎市議“えびけん”海老名けんたろうの見解

ここ数年で30億円の税収減や、近隣市の対応を考えると、建替えについては慎重に考えるべきで、建替える場合にはそのための基金(いわゆる貯金)がいくらあるかということも重要です。

4.他の行政サービスとの兼ね合い

茅ヶ崎市総合計画第1次実施計画が始まろうとしています。しかし、この実施計画について、折からの厳しき財政状況のため、その実施事業についても3つに分けて対応が進められていました。

  • A:期間中に着手
  • B:期間中に実施の可能性を検討
  • 無:今回見送り

この用に分けて対応しても、第一次実施計画において、すべての事業を実施するには、35.5億円不足!!の現実があります。

市庁舎建替の予算内訳
地方債 22億4500万円
基金 15億円
県貸付金 6億6600万円
一般財源 27億8900万円

茅ヶ崎市議“えびけん”海老名けんたろうの見解

市役所の予算内訳において、茅ヶ崎市の建替えのために使う基金(いわゆる貯金)は、15億円で全体経費の約20%強程度、かつ、足りないため、その貯金以上の金額を一般財源で対応し、かつ、貯金以上の地方債発行を行う。こういった現世代と後年度世代への負担を強いる方式については、問題があると考えますし、行政サービスの向上からすると、総合計画第一次実施計画を粛々と実現していくことが必要です。

5.他の施設との兼ね合い 特に、市民文化会館

現時点で、Is値が最も低いのは、市役所本庁舎です。
しかし、茅ヶ崎市民文化会館も、「Is値=0.35」と、危険(のちに、Is値=0.44)と、安全とは言えない(Is値<0.6 つまりは、阪神淡路クラスで倒壊の危険性あり)。
海岸青少年会館、福祉会館等も地震に対する安全性に問題があります。
確かに、市役所本庁舎の危険度からみれば安全かもしれないが、市役所本庁舎も、市民文化会館も、地震に対する安全性については、“不合格”である!

市役所も重要拠点であるが、市民文化会館も、市民の文化活動においては非常に重要な施設です。

※平成23年4月~秋までの市民文化会館の改修工事は、耐震性能をあげるものではありません。

※茅ヶ崎市の方針は、市役所本庁舎の建替え後(平成26年度以降)に、大規模耐震改修を行います。

茅ヶ崎市議“えびけん”海老名けんたろうの見解

市役所本庁舎からみれば、市民文化会館等も安全かもしれないが、どちらも試験でたとえると、”不合格“です。最低合格基準(Is値≧0.6)からすれば、問題ありです。特に、市民文化会館は、市民の文化活動の拠点で、多くの市民が日常利用しています。ただ、市の対応は平成26年度以降になることを考えると、1日も早く、文化会館も対応すべきです。

6.安全性確保の方法比較

市役所本庁舎の自信に対する安全性の確保には、様々な手法があります。茅ヶ崎市も、時間をかけて検討した結果、”建替“を選択していますが、改めてその手法についてです。

方式比較

建替(16,000m2 免震 耐震

72億円~80億円 28.4~39.6億円 7.7~14.1億円



  • もっとも耐震性能が高い
  • 機器の更新も可能
  • バリアフリーや環境対応が可能
  • 庁舎機能の整理が可能
  • 求められる高レベルの耐震性を確保することが可能
  • 地方債への依存度が低い
  • 費用が安い
  • 基金の範囲内でできる
  • 地方債に頼らなくとも対応できる
  • 他の事業への影響小




  • 金額が一番大きい
  • 耐用年数の残存20年以上
  • 地方債による後の世代への負担大
  • 他の事業への影響大
  • 機器更新が進めにくい
  • 25年後には建替に対しての費用対効果
  • 求められる高レベルの耐震性を確保困難
  • 機器更新が進めにくい
  • 25年後には建替




Is値の問題は余裕でクリア Is値=0.9可能 Is値=0.9は不可能

茅ヶ崎市議“えびけん”海老名けんたろうの見解

Is値=0.9で考えると、必ずしも建替えでなくとも、免震で確保することはできます。耐震については、0.9までできないのが問題と言えます。

7.人口問題:想定の違い

茅ヶ崎市は、新総合計画において、平成32(2020)年度まで人口が増えるという前提に立っています。
しかし、国立社会保障・人口問題研究所の5年ごと統計では平成27(2015)年度で減少が始まると思われるデータが出されています。
また、この2015年は、人口に関して別名「2015年問題」と呼ばれています。2015年を境に、日本はより厳しい人口問題にぶつかることになります。
つまりは、市役所本庁舎を建替終了するとすぐに茅ヶ崎市の人口減少が始まることになります。建替えの60年後の孫、ひ孫の時代において、本当にこのサイズの市役所が必要なのか、考えるべきではないかと思います。
子どもにツケを回さないことを考える必要があります。

8.その他

本庁舎が危険であることから、市民の利用の多く、かつ特に危険な1Fや2Fの部署を分庁舎や北側駐車場に仮設庁舎を建て移転する形で安全を確保しています。
1Fや2Fを外に出しましたが、3F以上は危険であることはなんら変りありません。多くの職員、また市民の利用もあります。
この3F以上の安全性確保について、本庁舎自体は、建替が行われるまで、荷重低減という対応は行われますが、耐震性能を上げる対応は行われません。
3F以上が危険な状態には変わりないが、それでもいいのでしょうか?

最後に

考え方を整理するためのイメージ図

縦軸をIs値:0.6から0.9まで
横軸を財政(経費):各工法の概算経費を

茅ヶ崎市議“えびけん”海老名けんたろうの最終結論

厳しい財政運営、効率的・効果的な行政経営の視点(文化会館の安全性確保など)から考えていくと、建替は過重な負担と言っていい、また、免震でも目標値の確保は可能なので、市役所本庁舎は建替えではなく、免震で対応すれば、文化会館も耐震対応でき、一石二鳥であると考えます。