東北地方太平洋沖地震で見えた茅ヶ崎市の課題
平成23年3月29日
海老名けんたろう
まずは東北地方太平洋沖地震でお亡くなりになられた方のご冥福をお祈りするとともに、被災された方の早急な安否確認とともに一日も早い帰宅、再建、そしてまちの復興を心より願うとともに、自治体職員、自衛隊、ボランティアをはじめとする復旧に向けて昼夜を問わず取り組んでいる皆さまの活動に敬意を表します。
3月11日〜29日の間に、市民の皆さまから様々な相談を寄せられる中、また、自分でも改めて動き、考えてみて気がついた茅ヶ崎市の課題について、書かせていただきたいと思います。
1.情報伝達の問題
今回の地震において、茅ヶ崎市の被害は軽微でしたが、その地震の情報、津波の情報、そしてその後始まった計画停電の情報について、その情報を市民の皆様に知っていただくのかということに大きな課題があると思います。
- 防災行政無線
- ちがさきメール配信サービス
- 茅ヶ崎市のホームページ
といったもので、これらの情報提供がなされていましたが、これだけでは残念ながら不十分でした。
防災行政無線
防災行政無線については、よく聞こえる地域においては、非常に役立ったという声もありますが、聞こえにくいという声も多くありました。
- アナウンスの方の話し声が聞き取りにくい
- 家の密閉度が上がり聞こえにくい
- 建物の反響で聞こえにくい
- 強風に左右されて聞こえにくい
といった様々な要因がありますし、これに加えて決定的な欠点が2つあります。
- 聴覚障害を持った方には、聞こえない
- 市外にいる場合は、聞こえない
解決策として、もっと防災行政無線の発信を増やすこともありますが、増やしすぎれば、お互いに反響してしまう可能性が高いですし、防災行政無線の近辺にお住まいの方にとっては、非常にうるさいという問題もあります。
自宅や施設内で聞く場合の難聴対策としては、戸別受信機を導入するしかないのではないかと考えますが、経費を考えると慎重に検討すべき問題と思います。
変わって、パソコンや携帯メールを使う方については、「防災行政無線」よりも、「ちがさきメール配信サービス」を使う方法がいいと思います。
ちがさきメール配信サービス
これは、茅ヶ崎市が発信する様々な情報をパソコンや携帯メールで受け取ることができるものです。
茅ヶ崎市のTOPページの右側に「ちがさきメール配信サービス」というメニューがありますので、そちらを空けていただけると登録できるようになります。こちらは市外でも、「防災行政無線」の内容を知ることができます。
「ちがさきメール配信サービス」のページ
http://www.city.chigasaki.kanagawa.jp/about/007099.html
「防災行政無線」「イベント」「ゴミだしメール」など様々な情報が提供されているのですが、大規模災害で携帯で通話できないような状況になると、携帯へのメールもリアルタイムで届くものではなくなり、そこに大きな問題が発生します。
これらを補完するものとして、Twitter・mixiなどの利用が挙げられます。どちらも今回の災害時においては、安定的に使え、かつ、市外でも市内の情報を得ることができました。
茅ヶ崎市として改めてこのICTの利用を、Twitterなどで茅ヶ崎市自身が公式アカウントを取得し、情報を発信することが必要だと思います。情報が錯綜する中混乱を防ぐ意味でも、行政の公式アカウントでの発信は重要であると考えます。
ただ、ITだけでは残念ながら、広く市民に情報を提供することは難しいです。災害弱者や独居の高齢者など、こういった方に対しては、地域包括支援センター、自治会、民生委員といった方々の日ごろにもましてきめ細やかな対応が望まれますし、例えば、計画停電情報を自治会の掲示板に掲示して告知するというような取り組みについても積極的に取り組んでいくべきであると思います。
アナログとデジタルの両方をうまく装備することが、広く市民に情報を提供できる方法であると思います。今回の地震を契機に情報伝達について考え直すべきでると私は思います。
2.公共施設の地震に対する安全性
茅ヶ崎市役所本庁舎について
茅ヶ崎市役所について、今回の地震で建替えをすべきという声もありますが、ちょっと立ち止まって考えるべきではないでしょうか。
建替えをするにしても、1年で建て替わるわけではありません。茅ヶ崎市の現在の進め方では、4~5年かかります。その間は、実は耐震性については、レッドーカードの市役所本庁舎は、何もしなければ危ないままです。
合わせて、今回の地震で三陸海岸沖の自治体が被害をこうむったのは、地震よりも津波の方が大きいのではないでしょうか。
津波のことを考えると、建替えるにしても、市役所西側駐車場でいいのかも検討すべきではないでしょうか。
4~5年間のタイムラグについて、きちんと対応を打たないで建替えをするというのは、4~5年間地震が来ないことを祈るというだけになってしまいます。私は、免震を主張していますが、まずは、最低でも阪神淡路クラスを倒壊せずに耐えることのできる耐震性を確保する耐震補強を臨時で、いち早く行ったうえで、本格対応を考えるべきではないかと思います。二重投資という声が起こることも考えられますが、それでも安心・安全の確保の観点から、本格対応の前に行い、すこしでもタイムラグを埋める努力をすべきと思います、
公共施設の耐震性の問題は、市役所本庁舎だけではありません。今回の地震でミューザ川崎では天井板が落下して使用不能に、九段会館では卒業式中に天井が落下し2名の方が命を落とされるという不幸がありました。
茅ヶ崎市においても、市民文化会館、福祉会館、海岸青少年会館と耐震性に問題のある施設があります。
この中でも、特に、市民文化会館は市民の文化活動の拠点にもなり、重要な施設です。土日や文化活動発表シーズンになると多くの市民が利用しています。この施設の安全性についても一にも早い対応が必要です。
今回の地震を受け、タイムラグの問題、他の公共施設も耐震性に問題のあることなどから、改めて早急な耐震対応が求められていることは明らかであり、やはりまずは早急に耐震性に問題のある施設に対して、臨時的にでも耐震補強で、一定の耐震性を確保すべきと考えます。
3.津波への対策
今回の地震は、三陸海岸沿いの自治体の多くが地震よりも津波による被害が大きかったと言えます。
茅ヶ崎市でも、平成19年度に「茅ヶ崎市津波ハザードマップ」を作りました。
http://www.city.chigasaki.kanagawa.jp/bosai/tsunami/001999.html
(津波ハザードマップ)
また、同時期に「茅ヶ崎市洪水ハザードマップ」も作成しています。
http://www.city.chigasaki.kanagawa.jp/bosai/tsunami/002000.html
(洪水ハザードマップ)
この作成時点では、津波については、茅ヶ崎市は134号線が防潮堤の役割を果たすために、大丈夫であるということになっていますが。今回の地震の津波の高さを考慮して、相模湾ではどうなのかを改めて検証すべきではないかと思います。
また、津波が134号線では大丈夫であったとしても、相模川を遡るような津波だと、洪水と同じような考え方できるのではないでしょうか。
洪水ハザードマップにおいて、相模川の洪水発生時には、茅ヶ崎市の南西部から市役所付近まで洪水が来るというデータがあります。134号線、そして相模川左岸について改めて、神奈川県とともに再検証をすべきであると考えます。
4.行政のデータの安全性確保
行政データについて、今回の地震の被害エリアの大きさ(東北~関東)から考えると、他の地域とお互いにデータ保管の協定を結ぶことをすべきではないかと思います。茅ヶ崎は関東地方であり、東海地方の地震の影響もうけることが考えられることから、北海道、中国、四国、九州といった地域と「行政データ相互保存協定」的なものを結んで、一定時期にデータのバックアップを保存しあうという対応を行うべきではないかと思います。
そうすることで、想定以上の災害が来たとしても、行政データのバックアップを他地域に残しておけば、残さなかった場合よりも早期に対応できると思います。またこの取り組みをより効果的にするためには、行政の様々なデータをデジタル化しておく取り組みを進めておく必要があると考えます。
5.災害時協定の締結の充実化
今回、この地震の後に、様々な事業所等と災害時の協定を締結が行われていますが、改めて、今後もこの締結を進めていくべきであると思います。
災害時の協力協定として
- 津波発生時の緊急避難としての協定
(特に、茅ヶ崎南部のマンションなどとの避難できる協定) - 公共施設エレベーターに飲料水などを蓄えておくボックスの設置の協力協定
(藤沢市役所のエレベーターはそうなっています) - 買い物難民対策としての物品配送の協定
- 災害時のはぐれたペットの保護するなどの協定
(他の自治体では獣医師会と結んでいるところがあります)
ペットの多いまち、茅ヶ崎では、ペットを含めた災害時の対応が求められることになると思います。
この他、様々な協定があると思いますが、その協定をこれからも積極的に進めておくことが必要ですし、また、その協定が本当に発動できるかといった確認が必要であると考えます。
今後、改めて内容を増やしていきたいと思いますが、平成23年3月29日現在において、活動の中で見えてきたことです。


